ゆらめく資産の記録

インデックス投信積立の復習

積立投資とインデックス投資

積立投資とインデックス投資の相性が良く、積立投資といえばインデックス投資みたいになっていますが積立投資とインデックス投資は本来別物です。

積立投資:

  • 特定の頻度(例:毎月)で定額を増資する
    • 投資タイミングの良し悪しは気にしない

インデックス投資:

  • 何らかのインデックス(に連動する投資信託やETF)に投資する
    • 個別銘柄は気にしない
  • 銘柄が分散されているため分散効果が得られる

ついでに以下についても書いておきます。

分散効果

  • 想定リターンが同じ銘柄を複数持つことで、リターンは維持したままリスクだけを下げられる
    • 国や地域が違う、事業セクターが違う、リスク要因が違うなど銘柄間の関連性は低いほうがより望ましい

長期投資(バイ&ホールド)

  • 売りを減らせば税金や手数料による資産の目減りを減らせる
    • 長期的には上昇するという前提に立てば保持しているだけで資産価値が上がるのでわざわざ売る必要がない
    • 突発的な暴騰・暴落には対応できないが、上記の前提により暴落してもどうせ値は戻るので気にしない

インデックス投信積立というのはこれらの複合型といえます。積立でないインデックス投資であれば機動的な売買もありえますし、インデックス投資でない積立であれば連続増収増配の個別銘柄を買い続けるなども選択としてはありえます。

インデックス投信積立投資の特徴

主に対象となるインデックスが持続的に上がっていくかどうかを気にします。そのため右肩下がりが予想されるインデックスに積立投資することだけは避けないといけません。

とはいえ将来どうなるかなんてわからないので、先進国株式にこれだけ、新興国株式にこれだけ、といった形でアセットアロケーションを組んだりして、究極的には「世界の株価は今後も上昇していく」と見込んで実施していくことになります。バンガードのVTが究極といわれる所以でもあり、アセットアロケーションがリターンを決めるといわれる理由でもあります。アセットアロケーションというのは複数のインデックスを組み合わせた自分用のインデックスという見方もできます。

見落とされがちな前提のひとつは、円が高くなり続けることはないという見込みも内包していることです(海外に投資する場合)。ヘッジなしでの海外への投資では必ず為替リスクを孕みます。ドルベースで株価が2倍になっても、2倍円高になっていれば差し引きゼロですので、その点も意識しておく必要があります。まあ円が継続的に高くなっていくことはないと思いますが。

もうひとつの埋もれがちな前提として、例えば(いわゆる投資信託ではありませんが)VTを例に取ると、VTのリターンはVTの経費率(0.14%)を上回るはずだというものです。全世界の株式市場の騰落を均せば0.14%以上の成長を続けるだろうという期待のことです。0.14%以下なら資産価値が目減りするので、そう考えるのであればVTを買う理由がありません。VTに限らず、信託報酬だとか手数料だとか以上の利益が見込めるからこそ、その銘柄を積み立てようと思うわけです。

インデックス投信積立における銘柄選定

考えることは「積立分を取り崩す段になったときに上がっていそうか」だけですが、多くの場合数十年後を想定しているでしょうし、そんな数十年後のことなんてどうせわかりません。数十年のうちに現金が必要になって一部解約、ということもありえるので、できればいつ解約しても損しない右肩上がりとなっているのが望ましい。数十年後に一度だけびよーんと急上昇するなんてのは望ましくない。

期待リターンもそこそこあり、全世界分散が利いていて、かつ経費率も割安なVTが最強かというと、まあ最強だということになりそうです。ただし最強というのはあくまで総合点での勝負であって、VTよりも期待できるリターンが大きくなるもの、VTよりも経費率が安いものはあります。全世界分散であるがゆえにパフォーマンスの高いものと低いものが混ざるし、投資対象が広範囲であるがゆえに掛かる経費もあるからです。世界の株価、10年間の推移で調べたときは米国株と新興国株がVTのリターンを上回っていましたので、10年前から現在までという期間で(後付で)考えればVTIやVWOのほうが効率はよかったということになります。未来のことは誰も知りませんが、VTよりも良いパフォーマンスとなる投資対象はVTの原理からして確実に存在します。

とはいえそもそもそういう選定を放棄して平均で良しとするのがインデックス投資の考え方なので、突き詰めて考えればVTになります。インデックス投資においては(株式に限れば)VTが模範解答であり、そこから好みや事情、思惑などに合わせて派生していくものだといえるでしょう。「アセットアロケーションというのは複数のインデックスを組み合わせた自分用のインデックス」というのはそういうことです。

積立投資の対象をどう決めるか

これは「アセットアロケーションをどう決めるか」という問いとほぼ同じになります。例えば日本株には期待できないのでゼロにするとか、中国が大躍進してそうだから厚めにしたいとか、債券クラスも半分くらい持っておきたいとか、個々人の裁量で決めていくことになります。特に正解はなく、あるとしてもその人にとっての正解しかないので、通常の投資と同じように決めるしかありません。

「長期分散投資」を掲げながらTOPIX Core 30にしか投資していないなど、はてなと思う選択はありえますが、当人が日本の30銘柄に分散できてれば充分という考えなら別に間違いではないでしょう。他人の投資を笑うなということです。明らかな間違いもあるにはありますが、まあ他人の投資は他人の投資なので、実害がないなら気にしなくていいですし、気になるなら指摘すれば感謝されたり反発されたりするかもしれません。どちらにせよ自分の投資とは関係のないことですので、おまけみたいなものです。ちなみに僕は指摘されると感謝します。よろしくお願いします。