ゆらめく資産の記録

好景気になった日本を想像して備える

物心ついたときから不景気なので好景気の世の中というのがちょっとよくわかりません。無理やり想像するとバブル景気に沸く日本、みたいな極端なものになってしまいます。しかしながら、そんな体たらくだと、もし日本が好景気になってしまったときに困ります。

話に聞くかぎり、好景気な世の中(ゆるいインフレが続く)は昨今のデフレが慢性化した世の中とはまったくの別物であり、個々人が取るべき資産運用の常識もがらっと変わるようです。

デフレ インフレ
お金の価値が上がり続けるので現預金をホールドするのが最適解 お金の価値が下がり続けるので資産価値を維持するには赤の女王仮説のように殖やし続けなければならない、あるいは早め早めに使うほうが得
給与は据え置きか微減傾向 給与はゆるやかに右肩上がり
債権クラスが空気 債権クラスにも輝ける舞台がある?
生活必需品セクターのように底堅い需要に支えられた銘柄がトータルリターン最強 生活必需品セクターは可処分所得の増大に充分応えられないため、他のセクター(例えばエネルギーや鉱業など)と比べて伸びが鈍く相対的に不利になる

デフレとインフレが正反対のものであるため、よりよい選択も必然的に正反対となります。景気がよくなったことにすら気づかないまま最適解と正反対の行いを続ける愚は避けたいものです。

肝心の日本が好景気入りすることはあるのかどうかですが、なんとなく「なくはない」と思っています。

まずこの数年で失業率は低下しました。失業率の低下は当然ながら就職率の増加を意味し、給与をもらう人が増えたことになります。とはいえそれはほとんどが非正規雇用じゃないかという声があれば同一労働同一賃金を打ち出したり、違法残業を取り締まり始めたり(=ダンピングの抑制=労働生産性の向上ないし消費活動の促進)、最低賃金も全体的に上昇し、女性活躍を掲げて労働人口の増強を図ったりと、一連の流れは一貫しており、かつ好景気時代への布石として機能している(あるいは機能していくだろう)と考えています。難しいことはわかりませんが、昨今の日銀の金融緩和策も以前までのデフレ放置時代に比べれば好景気のほうを向いた施策じゃないかと思います。

これだけ手を尽くしてもデフレ脱却が不可能とあらば本格的に日本は終わりでしょうが、まあそのときはそのときです。そしてどちらかといえばデフレ脱却できる未来のほうが蓋然性は高いと思っているので、その時代に備えて今からできること、やっておくと有利なことを模索しようと考えています。そのひとつが「好景気の世の中を想像する」です。例えば、抽象的ですが、「節約のため」に何かを導入するよりは「便利のため」に何かを導入する機会が増える、といったようなことです。