ゆらめく資産の記録

フリーキャッシュフローを増やすために収入を増やす、そのために転職する

ボーナスの時期ということでボーナスが話題ですが、典型的とされる会社で働いたことがないのでいまいちよくわかってません。今までボーナスがないところ、あるけど年1回の支給だったところ、四半期ごとのところなどまちまちで、本当に多くの会社が同じようなボーナスの規定なのかという根本的な疑念を払拭しきれないまま30代をやってます。

さて、家計において最も意識すべきはキャッシュフロー、すなわち毎月の収入(一般的には給与)から支出を引いて残る額だというのはよく言われることです。そこでまずは支出を抑えることでフリーキャッシュフローの増大を図るのが常道となっていますが、収入の増加について同じくらいの熱量で取り組んでる人をあまり見かけません。取り組んでいるとしてもアフィリエイトやちょっとしたアルバイトなど、副業収入の確保に取り組む人は居ますが、本業収入の増加を試みる人はめったに見かけません。これが僕にはずっと不思議です。

僕はもちろん節約も意識していますが、爪に火を灯すようなことまではしたくありません。毎日のように我慢し続けて1ヶ月で数千円得した、といったようなコストカットを続けるくらいなら、収入を増やすことをまず考えます。最初はノーリスクで始められるアフィリエイトなどにも手を出すかもしれませんが、収入の中でも圧倒的な安定性と額である給与収入の増大を目論むのが王道だと思います。金額の大きい固定支出から削ろうとする節約と同じ考え方です。

僕の場合は専門職なので、自分の専門家としての価値を高め、ある程度高まったのに給与の伸びが追いついてないと感じたらより高く買ってくれるところに転職する、というのを繰り返しているうちに、今では最初に入った会社の給与と比べて3,4倍の給与収入を得るに至っています。給与だけでなく、服務規定などの職場環境も僕にとって心地いいものになってきています。専門職でなくとも、より高い給与、よりよい環境を得られる職があるなら転職するのが合理的な判断だろうと思います(まあそれだけで決まるものではないでしょうが一般論として)。

しかしながら、なぜか転職というと人生の一大決心みたいに扱われたりするようです。これが冒頭に書いたボーナスの話と同じくらい、なぜそうなのかというのがわかりません。業種や業界にもよるのかもしれませんが、それにしても転職を大袈裟に捉えすぎていると思います。履歴書を用意したり、よさそうな企業を見繕ったり、今の会社に離職届を出したりといった手間はありますが、例えば給料が1.5倍になるなら充分割に合う手間でしょう。年功序列型の賃金体系なので途中で転職すると損という考えもありますが、それはつまり若いうちは給与が低く抑えられていて、年功序列型でない企業に居るほうがよい待遇が得られる可能性があるということでもあります。軽く転職活動をしてみて、自分のような人間の給与の相場がどれくらいかを知り、転職によって上がるようなら転職は有力な選択肢となりますし、逆に下がるようなら年功序列にぶら下がるのが得策となりますが、どちらにせよ転職活動をしてみないことには何も判断できないはずです。

転職によって今の会社よりも職場環境が悪化する危険性はありますが、同程度に改善される可能性もあります。仕事中にお菓子を食べるなんて信じられないといった話題がたまにありますが、そういうのが許されない会社にずっと居たらそれが普通だと思いこんでしまいます。だいたいオフィスグリコというのが商売として成立するくらい、お菓子を食べていい職場なんて世の中にはたくさんあるにもかかわらず、です。

お菓子に限らず、以下に挙げる職場はすべて実体験に基づくものですが、人によっては「そんなところが実在するなんて信じられない」と感じることもあるようです。

  • 有休は好きなときに好きなように取れる
  • 勤務時間は自由でいつ来ていつ帰ってもいい(裁量労働)
  • 特段の理由がなくても出社せずに自宅で仕事をしてもいい(申告は必要だが当日に一言いえばいい)
  • 残業代はみなしでつくがサービス残業はないし残業してなくても文句言われない
  • 昼休みに昼寝するためのスペースがあり、だいたい誰かが寝てる
  • 飲み会などの社内行事はあるが不参加でもとやかく言われないし特に気にされない
  • 24歳くらいの役員が居て実際に腕も立つ
  • 転職するとなると概ねおめでとうって会社の人から言われる(社交辞令もあるけど嫌味はまったくない)

他にも聞いた話だと「花粉の時期は花粉がない沖縄などで仕事してもいい(旅費は上限つきだが会社持ち)」「社内専用の郵便係みたいな人が居てXX部の誰々宛と書いて資料などをポストに入れとくと届けてくれる」などなど、案外想像もつかなかったようなものがあります。逆に、一般的とされるけど僕が見たことないものとしては「財形貯蓄の制度がある」「社食がある」「社宅がある」「社内に持株会がある」「保険の勧誘が来る」「転勤がある」などです。冒頭に書いたボーナス年2回制もそうかな。

上に書いたような制度・環境は、(裁量労働はともかくとして)僕が専門職だからというものでもありません。総務も昼寝していいし、営業でも社内行事を無視していいし、子育て中であってもなくても好きに自宅勤務していいのです。そしてそれらは、今の職場にないのなら、おそらく転職しない限り手に入れるのは困難でしょう。給与も同じで、今の職場に居ても給与が上がらないのなら、転職したほうがぐっと上がるかもしれません。

長々と書きましたが、転職という選択肢を無視するのはもったいないということを言いたかっただけです。「若者は3年で辞める」とかぐちぐち言われがちですが、特に若いうちは、辞めること自体は悪いことではないはずです。大学が敷いてくれた就活レールに乗って就職したのち、20年後くらいにいきなり会社が潰れるなどして転職で右往左往するよりはずっと健全だと思います。年功序列や終身雇用も崩壊しつつあるなか、転職の経験を積んだりいろんな会社を経験しておくことはプラスにしかならないだろうと僕は信じています。まあでも転職すればいいってものでもありませんので、勝算や目論見を意識することは忘れず、できれば計画的な転職をしましょう。