ゆらめく資産の記録

2020年7月 運用記録

今月はAMDとTSMCが暴騰しました。8月9月のセルインメイの報いを受けるかどうか。今年は大統領選とウイルス騒動があるので例年よりは荒れ模様となるのかどうか。

決算ラッシュだったので文量多めです。

個別株全体

ポートフォリオから引用

前月からの変移

2020年6月

2020年7月

日本株

買:JT(2914) 売:関西電力(9503)、全国保証(7164)

関西電力と全国保証を売り切り。何ヶ月か前から進めている日本株整理の一環で、また4月あたりからの戻りの勢いも失われてきてたので売った。個人的に配当株を抱え込む局面ではないし未練はない。あと残っているサムティ、JT、ドコモ、ソフトバンク(電話)は今のところ売り切る予定はないのでいったん売りは打ち止めかな。

JTがあまりにも下げすぎに見えたので少し買ってしまった。たまたま株価を見たときに3月につけた底をさらに割ってたので、決算前なのを見落として月末に少しだけ買った。その後決算を受けてPTSでは上がってるみたいなので結果オーライではある。配当利回り8%を超えてきているが減配もないらしい。配当性向だけ見ればカツカツに見えるけど、キヤノンみたいに景気循環株でもないし、日産みたいな見えてる伏線もないし、タバコも値上がりするらしいし、まあいけるんでは。

持ってないけどキヤノン(7751)が33年ぶりに減配するらしい。何年連続増配といったって事業が危なくなれば普通に途絶えるのを配当メインの投資をする前に確認できてよかった。利潤を安定的に生み出せて、かつ配当への意欲もある銘柄じゃないと危ないかなあ。思い当たるのは公益セクターと通信セクターくらいしかないけど、ITが成熟したらこれにITセクターも入るのかな。MSFTとか。

今月は後半から勢いがついて下落が始まったみたいだけど、来月からはさらに弾みがつくんだろうか。たぶん景気敏感株の多い日本株の悲惨な決算がたくさん出てきて弱気になったのかな。あるいは日本株でも淘汰が始まっている(弱い銘柄から強い銘柄に資金が移動してる)のか、普通に夏枯れ前に売り抜けたかっただけなのか。反射的に何かを買ってしまいそうなので自制が必要そう。

外国株

買:Amazon($AMZN)、TSMC($TSM) 売:なし

Intel($INTC)が7nmプロセスがさらに遅れるってリリースを出したのに反応してその日INTCは-15%、AMDは+15%、TSMは+10%くらいになった。個人的にはそんなの自明というか新しい材料ではないと思うんだけど、市場は織り込んでいなかったらしい。僕も別に半導体のプロではなく、パソコン買うときにどのCPUがどうなのかをなんとか判断できるくらいでしかないのにプロは何をやってたんだ。いやまあ僕の認識は素人ゆえ確固たる根拠がないって側面もあるけど、いやしかし蓋然性は十二分に高かっただろう。何にせよこの一件でようやくIntel vs. AMDでAMDが優勢だと市場が認識したはずなので、AMDに対してはしばらく強気でいいだろう。いつになるかわからないけどINTCとAMDの時価総額が逆転するのもあり得ると思っている。この日の値動きを見るに、INTCが下がりつつAMDが上がって差が縮まる感じになると思う。今はAMDが$100B、INTCが$200Bくらい。

TSMC($TSM)が上がりすぎとの声。 僕も先月買った時点で上昇はゆっくりしたものになるだろうと書いてたので、INTCに反応した当日の急騰は別にしても、それ以後の上昇は蛇足というか余分に思える、と言いつつ株価が上のほうで買い増しした。ポジションが小さすぎたので半端な利確よりは波に乗るほうがいいかなと思って腰を入れて買ってみた。こういう買い方はいまいちよくないという自覚はあるので失敗するかもしれないけどいちおう思惑もあって、ソフトバンクのARM売却にTSMCが一枚噛んでたらさらなる上昇余地があるなと期待してる。IntelやAMDがARM買うのは独禁法がなくともARMの発展に寄与しないのは明白だし、AppleやQualcommはARMのお客さんであってARM持ちたいわけじゃないだろうし、今はNVIDIAが興味を示していると言われてるけどそれもどうかなあと思うし、TSMCが買うといちばん丸く収まると思っている。台湾政府的にもARMが台湾企業になればアメリカを巻き込みやすくなるだろうし悪くないディールなのでは。まあ孫さんはいちばんいい条件で売れるところに売るだけだと思うけど。

Amazon($AMZN)が好決算を出して1日で+3.7%くらい。7/16に$3000を割ったあたりでドカっと買ったんだけど賭けに勝った感じ。まあ賭けというほどのリスクは感じてなくて、どうせなんだかんだで決算は良いはずで、他の業界が-90%とか出してるのを目の当たりにすればさらなる買いを集めることになるだろうと見越してのことだった。相場観として、まずウイルス騒動の早期収束はありえないと思っていて、そうであれば負け組から逃げて勝ち組に移動する流れがしばらく続くはず。Amazonは勝ち組なので不振の同セクター銘柄(小売業とか)から資金が流れ込むだろうと思っている。どうせならもっと攻め気味にこの相場観に乗り、上昇期待が弱まりつつあるMicrosoft($MSFT)を売ってAmazonに移し替えようかとも思ったけど、今年の目標である「半端な利確をやめる」に抵触しそうだったのと、ドカっと新規買いした直後だったので控えた。それやるなら主力をAmazonにするくらいじゃないと中途半端だしね。そこまで強気にはなれなかったので、半端に買って後悔するより見過ごして買わずに後悔したほうがマシと判断した。

Shopify($SHOP)は好決算を出したけど利確売りに負け気味。ゴールドマン・サックスが決算直前に目標株価$1172と出してたけどそこには届かず。まあしばらくは揉み合いかな。事業不振は考えにくいので株価から見た銘柄への期待が高すぎるのか低すぎるのかの綱引きが続くだろう。買値から+100%になってるので安全域は充分で高みの見物をする。

手持ちの銘柄で唯一まだ爆発してないのがAlibaba($BABA)なんだけど、よく考えたら中国の証券会社が唐突な買い煽りを出したときに上がってた。購入からまだ+18%くらいなのでもう一声欲しい。4/22に買ってたみたいなのでそろそろ3ヶ月強が過ぎる。まあでもAlibabaはポジションがまだそこまで育ってないのでマイナスじゃなければいいか。3ヶ月で+18%なら平時では上々だろうけど、4月末からの数ヶ月は混乱のさなかだったのでもっと輝きを見せてほしかった。どっちかというとTencentのほうに流れたのかな。あるいはこれからなのか。

以上が銘柄個別に関する雑感で、以下は全体的な雑感。

AMDは準主力〜主力くらいのポジションを持ってたので連日の上昇を甘受できたけど、TSMCはその半分くらいのポジションだったのでポートフォリオ全体への影響はそこまででもなかった。Microsoftが2〜3%上がればだいたい同じくらいで、特に何もない日でもMicrosoftはたまにそれくらい動く。まあTSMCはこれから育てていこうとしてた打診買いのような規模だったし、Intelの不調を市場が織り込んでないとも思ってなかったのであの時点で大きく買う理由もなかったんだけど、こういう小さすぎるポジションを持つのってどうなのかなと疑問に思い始めてきた。Twitterにも書いた。

ただ、これはいくらかウイルスによる狂乱相場に感化されてるところもあると思う。普段の株式市場はもっとのんびりなのを忘れてる。勝算が見込めるとき(今年の3月4月あたり)に大きく賭けるべきなのはもっともだし、実践としても当時持ってたキャッシュを全部注ぎ込むくらいはやったけど、結局あのときもっと全力で、ダメそうな銘柄や不透明な銘柄を売り切って有利に思えた銘柄に鞍替えするなどすべきだったなあという悔いがずっとある(たぶん毎月言ってる)。あのとき取りそこねた利益がちらついていて、少々の上昇じゃ心が動かなくなってるんだろう。これはこれでよくない傾向だ。というか、心理的に満足するのは狼狽売りを避けるなどの意味では重要なんだけど、最重要は言うまでもなく成績なので、天秤にかければ損失が常に重い。これは要するに、売った銘柄がそのあと上がっていくのを見て後悔してるのと同じ心理なのかもしれない。

気持ちの問題は置いといて、打診買いに対してもっと自分の中で意図を明確にすべきかもしれない。「この銘柄に対して強気」というのはもちろんあるんだけど、それに加えて「買い時がわからないので時間的に分散させて買っていく、この打診買いはその第一歩」「中長期的に少しずつ上昇していくようならそれに合わせて買い増しをしていく」みたいな何らかの位置づけを徹底する。必然的に売りの判断もしやすくなるだろう。

今回のTSMCは打診買いの段階で予想外に急騰してしまって取り扱いに困った、ということかな。+30%の時点で手持ちと同数の株を買えば+15%の含み益がある状態で参加できるんだから今後伸びる想定なら有利だろう、という理由で買い増ししたけど、上がりすぎと思えばいったん利確して撤退する判断もあったかな。今年は「半端な利確はしない」を強く意識してるけど、利確というのはたぶんこういうタイミングでやるものなんだろう。

何にせよ「買っといた銘柄が目論見通り爆上げしてうれしい(ポジションは小さい)」「気になってた銘柄をスルーしたあとどんどん上がっていくと悔しいのでいちおう持っておく(ポジションは小さい)」みたいなのはバカっぽいので、そういう気持ちは捨てていきたい。もっと真剣に金のことを考えていきたい。

投資信託

先月と今月分

長らく放置してたウェルスナビを解約してキャッシュ化した。26万円くらいの含み益があったらしい。

お試しのつもりで始めたけど思ったより長く運用してもらっていた。お世話になりました。

積立

つみたてNISA

  • SBI-EXE-iつみたて全世界ファンド
  • eMAXIS S&P 500
  • SBIバンガード S&P 500(SBI VOO)

課税口座

  • SBI VOO

配当(入金実績ベース)

https://datastudio.google.com/reporting/13nElNRm6EZ4axrdPAfyieexA7lCTGbdr/page/BEoP

「分配金 PFF 銘柄名:iS優先株&インカ」って入金があったんだけどPFF持ってないんですが……なんだろこれ。

その他/雑感

米国株のところに全部書いた。いくつか相場観を抜書しておく。

  • ウイルス騒動は早期収束しない
    • たとえ「ワクチン」ができたとしても、その普及にはまた別の課題がある。薬価、接種リスク、物流、医療施設の容量などなど。
    • それが「治療薬」ではなく「ワクチン」であれば感染して発症する前に接種しないと意味がないので、時間の流れとしては次のようになる
    • (始)ワクチン完成(短期間で効果が切れず長期的に作用するものであることを祈る)
    • ↓量産(焦って製造過程で低品質にならないことを祈る)
    • ↓流通(ウイルスが変異してワクチンが無効化されてないことを祈る)
    • ↓WHOがこれは有効だという宣言を出す(WHOが中国の思惑に振り回されないことを祈る)
    • ↓接種呼びかけ(接種したくない人が怒ってデモしないのを祈る)
    • ↓国民が接種し始める(医療施設がパンクしないのを祈る)
    • ↓国民の大半が接種するのを待つ(騒ぎが起きずスムーズに事が運ぶのを祈る)
    • ↓国民の大半が接種したと確認する(ここまでに高齢者や体の弱い人が副作用で死んでないことを祈る)
    • ↓ワクチン接種者の新規感染者数がゼロなのを確認する(ちゃんとワクチンが理論通りに機能するのを祈る)
    • ↓国境封鎖を解除(まだ準備の整ってない相手国から大量の接種目的渡航者が来てパニックにならないことを祈る)
    • (完)国際貿易が再始動を始める(ここまでに産業が壊滅してないことを祈る)
    • どれくらいの時間や幸運が必要かはわからないけど、まあ数ヶ月で無事に終われば奇跡だろう。
    • 「治療薬」であれば上のいくつかのステップは飛ばせるが、飛ばせないものもある
    • 何らかの薬によって人類がCOVID-19を克服できたとしても、今回の件で明るみになって取り沙汰された社会問題が同時に消えることはない。アメリカのBLM、欧州やシンガポールの移民放棄問題などなど。まあCOVID-19解決で浮かれて風化する(以前と同様に忘れられる)かもしれないけど。
  • ウイルス問題の長期化によって負け組から勝ち組への資金移転がまだしばらくは続くはず
    • 例えば小売や航空が耐えきれずに倒産すれば株価は紙くずだし、実際にJCペニーがそうなってるので、反発期待で買ったり持ち続けたりするにも限度がある
    • 勝ち組を利確、ないし負け組を損切りして様子見しようにも、各国政府が助成金などの名目でキャッシュをばらまいてるのでインフレが怖いし、債券の利回りもほぼゼロなので旨味がないし、結局何かを買うしかない
    • そういう意味ではゴールドはまだ上がるんじゃないかと思ってるけど、これも要するに「勝ち組への資金移転」で説明できる
    • 負け組はキャッシュ、債券、ウイルスの影響をもろに受けるたぐいの株や不動産、というのが通説だと思ってるし僕もそう思う

おまけ

僕が使ってるSharesightってサービスにはいろいろ機能があるんですが、その中のDiversity Reportって項目をなんとなく見てみたらきれいにセクターごとに均等分散されててちょっと面白かった。

Packaged Softwareが$MSFT、Internet Retailが$AMZN, $SHOP, $BABA、Semiconductorsが$AMDと$TSMという内訳になっています。僕は$MSFTは$AMZNと$BABAの仲間だけど$SHOPは明確に違うと考えているのであまりしっくり来ない。そもそもS&Pか何かが作ったセクター分類には全然興味がないにもかかわらず、それに基づくとちょうど1/3ずつくらいになってしまっていた。ちなみにInvestment Trusts/Mutual Fundsは大昔にNISAで買ったVTIです。